物体をあらゆる場所に瞬間的に移動させる「テレポート(テレポーテーション)」。
漫画やアニメではよく用いられ、その能力を持つキャラは大体強キャラの設定です。
昔から様々な研究が重ねられていますが、今回はそれが実現可能なのかを解説します。
テレポートの定義とは?
まずはそもそも「テレポート」の定義から解説します。
一般的にテレポートは「空間を非連続的に飛び越える」と定義されています。
つまり、連続していない空間を何らかの力で移動するものです。
後述もしますが、似たような能力に「ワープ」がありますが、こちらは「何らかの力によって空間を歪曲して、『2つの地点の距離を物理的に接近させたうえで移動』する=空間の隣接接近により連続空間の移動」と定義され、「空間歪曲」とされていて別物です。
ワープも瞬間移動に見えますが、対象地点を空間を捻じ曲げて近づけているので、「自身はほぼ移動していません」。
この点も大きな違いです。
自身がほぼ移動せず、空間を移動させているのがポイントです。
テレポートとは空間を飛び越えるもので、空間自体は接近させず、自身を物理的に移動させる点で区別すると良いでしょう。
テレポートの例
例えば、別の言葉でありますが「時間跳躍(タイムリープ)」もテレポートの一種です。
時間は進む方向の一方方向で不可逆です。
空間としては同じ場所として連続していますが、空間と時間の4次元空間で言えば点で非連続と言えます。
「時間を飛び越えることは非連続空間の移動」と言えるので、テレポートとなります。
つまり、タイムマシンはテレポート装置と言えるわけです。
当然、空間を捻じ曲げて移動するワープ装置とは全く別物で、タイムマシンの方が高度な装置と言えます。
超高速移動(ワープなど)との違い
物体を光速の速さで移動させるのも「瞬間移動」と言われていますが、これもテレポートと異なります。
こちらも瞬間移動ではあるものの、連続空間を超高速で移動しているにすぎず、テレポートの定義である「非連続空間の移動」に当てはまりません。
つまり、別次元の空間から、更に繋がっていない別次元の空間に移動してこそ「テレポート」と言えるのです。
よく漫画やアニメで急に別の場所に移動しているのは、瞬間移動やワープにすぎず、テレポートと言えません。
よく混同されがちですが、似て非なるものなのです。
仮に消えたように遠く離れた別の場所に移動したとしても連続空間の移動であれば、超高速移動や連続空間の瞬間移動となり、テレポートとは違うため混同してはいけません。
以下のような「とある科学の超電磁砲」での白井黒子の「テレポート能力」は連続空間の移動に当てはまるので「ワープ能力」と定義するのが正しいです(作中ではテレポートと呼ばれていますが、少なくとも作中で非連続空間の移動は見られません)。
「量子テレポーテーション」はテレポートなのか?
1993年に「量子テレポーテーション」というものが発表されましたが、これはテレポーテーションの名前が付いているものの、テレポートとは別です。
詳しい説明は非常に複雑で難しく長くなるため省略します。
名前の由来は、あたかも「突如として遠隔地にふっと湧いて出る」ように感じられるため、「量子テレポーテーション」と名付けられました。
実態は連続空間の移動なので、テレポートとは別物です。
テレポートは実現可能なのか?
そして結論ですが、現在の科学力でテレポートは「実現不可能」です。
これには制約があるためです。
理由①:質量を持つものを非連続的に飛ばせない
人間には原子換算で「約10の27乗」もの原子で構成されていて、原子自体も微小な質量を持っています。
これだけの大容量の原子を非連続的に飛ばすのは莫大なエネルギーが必要とされています。
理由②:飛ばせたとしても再構築が不可能
仮に原子を全て飛ばせたとしても、原子の状態では意味がありませんよね。
飛ばす前の元の形に戻してこそ初めてテレポートの意味があります。
上記の通り、「10の27乗」もの原子で構成されている人間の構造をぴったり再構築できる保証もないので、やはり無理があるとされています。
理由③:そもそも非連続空間に飛ばす意味があるかどうか
これを言ってはお終いですが、テレポートの意味があるかどうかです。
上に書いたように、実用的な観点なら「2点の空間を何らかの力で歪曲させ、接近させて移動するワープ」で事足りるのが現実です。
まったく見知らぬ異空間に飛びたいというならテレポートになりますが、現実的に利用するならワープでいいわけです。
総括・まとめ


